傷病手当金はいくらもらえて、いつまで受け取れますか?協会けんぽでは待期3日のあと、標準報酬月額の直近12か月平均を30で割った額の3分の2を、支給開始日から通算1年6か月まで受け取れます
傷病手当金は、どのような制度ですか?
健康保険の被保険者が、業務外の病気やケガで働けないときに、給与の代わりとして支給される現金給付です。根拠は健康保険法第99条で、被保険者が療養のため労務に服することができないときに、傷病手当金を支給すると定めています。ホフィットラボが2026年10月26日に、e-Gov法令検索で確認しました。
対象は被保険者です。健康保険法第99条第1項は、任意継続被保険者を除くと書いています。全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内ページは、業務上や通勤途中の病気やケガの場合は労働基準監督署に相談するよう案内しています。美容整形など、保険給付の対象外の治療も、傷病手当金の対象になりません。
傷病手当金を受け取るための条件は何ですか?
協会けんぽの案内ページは、次の4つをすべて満たすことを条件としています。ホフィットラボが2026年10月26日に確認しました。
- 業務外の事由による病気やケガの療養中であることが条件です。
- 療養のため労務不能であることが条件で、医師の意見や業務内容などを考慮して判断されます。
- 待期期間を除いて、4日以上仕事を休んでいることが条件です。
- 給与の支払いがないことが条件で、一部が支払われている場合は、その分を減額して支給されます。
労務不能かどうかを事業主が決めるわけではありません。協会けんぽの案内ページに、医師の意見や業務内容などを考慮して判断すると書かれています。
待期期間とは何ですか?支給はいつから始まりますか?
待期期間は、休み始めた日から連続した3日間です。支給は4日目から始まります。協会けんぽの案内ページに、この内容が書かれています。ホフィットラボが2026年10月26日に確認しました。
健康保険法第99条第1項は、労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、労務に服することができない期間について傷病手当金を支給すると定めています。つまり、休み始めの3日間は傷病手当金の対象外で、4日目以降の働けない日が支給の対象になります。
傷病手当金の1日あたりの金額は、どのように計算しますか?
支給開始日以前の12か月間の各標準報酬月額の平均額を30日で割り、さらに3分の2をかけて計算します。協会けんぽの案内ページに載っている計算式です。ホフィットラボが2026年10月26日に確認しました。
健康保険法第99条第2項も、同じ内容を定めています。支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の、3分の2に相当する金額が1日あたりの額です。端数処理も条文に定められています。30分の1にした額に5円未満の端数があるときは切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときは10円に切り上げます。3分の2にした金額に50銭未満の端数があるときは切り捨て、50銭以上1円未満の端数があるときは1円に切り上げます。
支給開始日とは、最初に傷病手当金が支給された日です。標準報酬月額が定められている月が12か月に満たない場合は、次のいずれか低い額で計算します。
- 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額で計算した額です。
- 支給開始日の属する年度の前年度の9月30日時点の全被保険者の標準報酬月額の平均額で計算した額です。協会けんぽの案内ページは、この平均額を、支給開始日が令和7年3月31日以前は30万円、令和7年4月1日以降は32万円と示しています。
12か月分の標準報酬月額がすべて30万円の場合の計算例は、次のとおりです。30万円を30で割ると1万円で、3分の2をかけると6,666円余りになり、条文の端数処理で6,667円です。この6,667円は、ホフィットラボが健康保険法第99条第2項の定めに沿って計算した例で、実際の支給額は協会けんぽの審査で決まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1日あたりの額 | 支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日 × 3分の2 |
| 12か月に満たない場合 | 継続した各月の平均額と、前年度9月30日時点の全被保険者の平均額のうち、低いほうで計算 |
| 平均額の基準(支給開始日が令和7年4月1日以降) | 32万円 |
| 平均額の基準(支給開始日が令和7年3月31日以前) | 30万円 |
上の表は、傷病手当金の1日あたりの額の計算式と、標準報酬月額が12か月に満たない場合の扱いをまとめたものです。標準報酬月額は、給与の額ではなく、社会保険料の計算に使う区分の金額を指します。
傷病手当金は、いつまで受け取れますか?
同一の病気やケガについて、支給を始めた日から通算して1年6か月です。健康保険法第99条第4項は、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病に関しては、支給を始めた日から通算して1年6月間と定めています。協会けんぽの案内ページも、同一の傷病について支給開始日から通算1年6か月と案内しています。ホフィットラボが2026年10月26日に確認しました。
条文は「通算して」と書いています。出勤して給与が支払われた期間など、実際に傷病手当金が支給されなかった期間があっても、支給を始めた日からの期間として通算する扱いかどうかは、ホフィットラボが2026年10月26日時点で確認した2つの公式資料からは読み取れませんでした。個別の期間の数え方は、加入している協会けんぽの支部に問い合わせてください。
給与が一部支払われているときは、傷病手当金はどうなりますか?
傷病手当金より少ない給与が支払われているときは、差額が支給されます。協会けんぽの案内ページに、出勤していない日について傷病手当金より少ない給与が支払われている場合は、その差額が支給されると書かれています。ホフィットラボが2026年10月26日に確認しました。
調整の対象になる報酬と、ならない報酬は、案内ページで次のように分かれています。
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 調整の対象になる報酬 | 有給休暇の賃金、出勤の有無に関係なく支給する手当(通勤手当・扶養手当・住宅手当など)、食事や住居などの現物支給 |
| 調整の対象にならない報酬 | 残業手当など出勤日に対する報酬、見舞金など一時的な支給 |
上の表は、傷病手当金の支給額から差し引かれる報酬の範囲をまとめたものです。令和5年10月に導入された社会保険適用促進手当は、調整の対象となる報酬に含まれないと、案内ページに書かれています。
出産手当金との関係も定められています。両方を受けられる期間は、出産手当金のみが支給されます。出産手当金の額が傷病手当金より少ない場合は、傷病手当金を請求すると差額が支給されます。
傷病手当金は、どのように申請しますか?
申請書に被保険者、事業主、主治医がそれぞれ記入し、必要書類を添えて提出します。協会けんぽの案内ページは、給与の支払い有無について事業主の証明が必要なため、給与の締切日ごとに1か月単位で申請することを勧めています。ホフィットラボが2026年10月26日に確認しました。
審査の結果、支払いが可能であれば、受付から10営業日以内に支払われると、案内ページに書かれています。進捗状況は、加入している協会けんぽの支部に問い合わせます。
申請期間の初日が属する月までの12か月間に、勤務先の変更、定年再雇用などによる記号番号の変更、退職後の任意継続被保険者への移行があった場合は、添付書類が必要です。ただし、この扱いは、全国健康保険協会に加入していた場合に限られます。
健康保険法第193条は、保険給付を受ける権利は、行使できる時から2年を経過したときに時効によって消滅すると定めています。ホフィットラボが2026年10月26日に、e-Gov法令検索で確認しました。協会けんぽの案内ページには、時効に関する記載はありませんでした。
退職した後も、傷病手当金は受け取れますか?
次の2つを満たせば、退職後も残りの期間について受け取れます。協会けんぽの案内ページに書かれている条件です。ホフィットラボが2026年10月26日に確認しました。
- 資格喪失日の前日までに、継続して1年以上の被保険者期間があることが条件です。任意継続、組合員、国民健康保険の期間は含まれません。
- 資格喪失時に、傷病手当金を受給中か、受給の条件を満たしていることが条件です。
退職日に出勤した場合は、継続給付の条件を満たさないため、退職日の翌日以降は支払われません。資格喪失後に老齢厚生年金などの老齢退職年金を受けられるようになった場合は、傷病手当金は支給されません。ただし、年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、その差額が支給されます。
事業主は、2026年10月26日時点で何を確認すればよいですか?
申請書の事業主記入欄、給与の支払い状況、退職予定日の3点です。
- 休職中の従業員に給与を支払っている場合は、その金額が申請書に記載する給与の支払い状況に影響します。有給休暇の賃金や、出勤の有無に関係なく支給する手当は、傷病手当金から差し引かれる対象です。
- 協会けんぽのページは、給与の締切日ごとに1か月単位で申請することを勧めています。事業主の証明欄の記入時期も、この単位に合わせて確認します。
- 退職が見込まれる従業員について、継続して1年以上の被保険者期間があるかを確認します。退職日に出勤させると、退職後の継続給付の条件を満たさなくなります。
- 従業員が全国健康保険協会ではなく健康保険組合に加入している場合は、協会けんぽの案内ページの内容が当てはまらないことがあります。加入先の保険者に確認します。
本記事で確認した内容と確認日
ホフィットラボは2026年10月26日に、全国健康保険協会(協会けんぽ)の「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」のページと、e-Gov法令検索の健康保険法(第99条、第193条)を確認しました。
確認した内容は、傷病手当金の支給条件、待期期間の3日、1日あたりの額の計算式と端数処理、支給開始日が令和7年4月1日以降の場合の基準額32万円、支給期間の通算1年6か月、給与との調整、出産手当金との関係、申請の進め方、受付から10営業日以内の支払い、退職後の継続給付の条件、請求権の時効2年です。健康保険組合の独自の上乗せ給付や、障害年金などとの調整の細かい取扱いは、本記事では扱っていません。個別の事案は、加入している協会けんぽの支部または健康保険組合に確認してください。
出典(いずれも公式サイト・公式資料)
- 全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(よくあるご質問) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307/
- e-Gov法令検索「健康保険法(大正11年法律第70号)」第99条・第193条 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070
